三、フラートの任務
朝の散歩 1
部隊に入ってから二週間目。
バリィン、
窓ガラスを割りながら外へ飛び出す僕。
今日はいつもより派手な演出で朝の爽快なスタートを切ります。
ガラスの破片は光となって僕の身体に取り込まれていくのでした。
そして、そのままの勢いで落下。
無理もありません。
窓と言うのは僕の部屋の窓、ようするに二階から落ちているというわけですが、僕はそのまま受身のとり方を知らず、落ちていくのでした。
すると、僕の下にはもう一つの罠がありました。
「ガルルルル……ガァ」
庭で寝ていた蒼毛の狼が目を覚まし、僕の頭に噛み付きます。
ブゥン、
僕の体は狼のあごの力によって地面に叩きつけられることは回避、しかし、このままでは僕の首が千切れてしまいます。
ブゥン、ブゥン、ブゥン、ブゥン、ブゥン、ブゥン、ブゥン、ブゥン、
そして、そのまま二度僕を上下左右に振り回し、壁に向けて叩きつけます。
そこで、狼はようやく落下物の正体が僕であることに気付いたのでした。
「し、死にてぇ……」
思わずその言葉を口にしてしまいましたが、狼は傷ついた僕の頭をなめ、訊ねてきます。
「頑丈だな……しかし、お前ほどのファイターを誰が?」
「いつものだよ」
「あのフラートと言う娘か。大したものだ」
「ついに窓から追い出されるなんて……想像もつかなかったよ……」
僕は体から抜けていくスピリットを放ったまま仰向けになります。
よく考えたらこのまま殉死していいわけがありません。
のそりと起き上がり、狼に乗り込みます。
「ごめん。玄関までお願いします」
「分かった。しっかりつかまれ」
狼はそういうと、のそのそと玄関まで運んでくれました。
すると、デフォルが玄関で出迎えてくれます。
「カオリ……お帰り」
「ただいま。デフォル……フラートの機嫌はどう?」
「フラート……ふらふら……お散歩」
今度のフラートは家出をしてしまったようでした。
「実家に……帰るって言った」
「どこだよ。あいつの実家って……」
と心のないことを言ってしまいましたが、本日はすでに朝日も昇り、しかし朝食はできていないようです。
フラートは何も食べずに家出してしまったようでした。
「とにかく、探すか」
「うん……」
デフォルもすぐにうなずき、朝の町を出歩くことにします。
〔つづく〕
登場人物
草薙 香 主人公
フラート 館で暮らす香を悩ますハイテンションファイター
デフォル うねうね大根から進化した少女
シャウト ファイターの館のリーダー
クラッシュ 知的派ファイター、本に囲まれて生活している
チャート オーバーリアクションが特徴
レイチェス いきなり喧嘩を始める 大剣使い
ファールウ いきなり喧嘩を始める レイピア(小剣)使い
ベルジスク 洞窟狼 オス
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http://ameblo.jp/kusanagi-kaori (アメーバブログ・草薙香)
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