ベルジスク 8
~リュグウスタへの街道~
隊長が倒れ、ファイター達はその体を運んでくれるのです。
とはいえ、実際に運んでいるのはカオリの説得で助かった蒼毛の狼でした。
デフォルの魔力でカオリを狼の背中に固定し、自分はその上に座って誰に乗っているのか分からない状況です。
狼もデフォルから魔力を供給してもらい、デフォルは普段からはちきれそうな魔力の大量消費に心地よさを感じました。
しかし、心地よくないのは納得できないファイター。
蒼髪のシャウト、紅蓮の頭髪のレイチェスとファールゥ、それに黒髪のチャートです。
逆に、自分の持つ情報が増えたクラッシュは狼を観察しつつ、魔物との共存説について納得し始めていました。
「本当にいきなり襲い掛からないかな?」
「さっきまで敵だったからね」
不満を漏らすエンチャンターの二人組み。
それに対してシャウトも不満を漏らします。
「カオリ様。確かにフラートが苦労するだけあります。
今まで見てきたファイターで一番つかみにくい人です」
そして、チャートまで。
「優しいって言えば嘘ではありませんが、どちらかというと隊長として甘いところが大きく出ますね」
そこで皆がうなずきました。
デフォルもよく分からずにうなずいて見せます。
そして、シャウトはつぶやきます。
「隊長はなんていえばいいのでしょうか……あれだけの闘いができるのに存分に力を発揮しようとはしません」
「当然なのかもしれません。
生まれてからたった13年、本来のファイターなら任務どころか部隊にも入れてもらえない年頃で、何かを殺すと言うのは本来酷な話です」
クラッシュがシャウトの横で諭しました。
すると、彼女達の正面から切りそろえられて紅蓮の頭髪を揺らす少女の姿が見えます。
「皆さ~ん! お疲れ様でした!」
普段からカオリと騒いでいる少女、フラートでした。
彼女は皆に駆け寄り、蒼毛の狼とその上に乗っているカオリと更にその上に乗っているデフォルを確認します。
「たたた、隊長!? 何が起こったのですか!?
ああ、それにこんなに大きな犬を連れて!
こうなったら私も乗り込みます!」
そういいながら普段から鍛えてある脚力で跳躍、狼の背中に乗り、しかし狼は魔力を消費しつつその重みをものともしていません。
消費されつつある魔力はデフォルによって補給され、淡緑髪の少女の中の魔力は未だ膨れ上がる一方ですが、それでも魔力の心地よい消費に酔っています。
そして、狼の背中に乗るファイター達を見る部隊のクラッシュ以外はすでに呆れていました。
無邪気なエンチャンター二人も警戒を怠らないほどの緊張感。
それを一瞬で破ったフラートに対して、元シュトラ隊の能天気さを知るのでした。
〔つづく〕
登場人物
草薙 香 主人公
フラート 館で暮らす香を悩ますハイテンションファイター
デフォル うねうね大根から進化した少女
シャウト ファイターの館のリーダー
クラッシュ 知的派ファイター、本に囲まれて生活している
チャート オーバーリアクションが特徴
レイチェス いきなり喧嘩を始める 大剣使い
ファールウ いきなり喧嘩を始める レイピア(小剣)使い
ベルジスク 洞窟狼 オス
ベルジスク 洞窟狼 メス
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http://ameblo.jp/kusanagi-kaori (アメーバブログ・草薙香)
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