朝の散歩 2
~リュグウスタ・市場~
のそのそ……
「おっ、兄ちゃん。いい犬に乗っているねぇ!」
朝早くから食材を売るファイターが話しかけてきました。
この狼は未だに名前がついていないものの、一週間も町にいればある程度のファイターには『犬』と認識されるのでした。
それに大きすぎる犬にでも可愛いといって寄り付くファイターの姿を見ると、そのほのぼのとした光景にファイターが可愛く見えます。
そして、僕は狼から降り、つぶやきます。
「魔物だとは思われないね」
「お前もそのほうが都合がいいだろう?」
「そうだね」
僕たちの短いやり取りに、目の前のファイターは首を傾げます。
「その犬と話せるのかい?」
「え、いや……独り言が多い性分で」
「ほう。それにしても顔立ちを見るとリュグウスタのファイター部隊。
隊長じゃないのかい?」
少女はにやりと笑みを見せると、商品の食用肉を僕の手の上にのせ、ぎゅっと握り締めました。
「市場なら、オレの店をひいきにしてくれよ。
安く提供するぜ。これはあいさつだ」
そう言って僕に食用肉を渡してくれました。
そして、同時に僕はその肉に強烈な視線を感じます。
「…………」
それは狼の視線です。
狼は自分の食欲を抑えつつ、しかし今にも僕の手まで噛み千切らんと言う気配を漂わせていました。
そして、僕は目の前のファイターに訊ねます。
「あ、あの……ここの肉は大体どのくらいの値で売られているのかな?」
「ん? えっと、1000gで20β(ベスガエル)だ」
よく考えたらなんともいえません。
1kgとはすでに一人分にあらず!
そういえば20βってフラートが部屋に持ち込んでいいといっていたおやつの値段ですよ?
肉が安いのかフラートが欲張りなのか……きっと彼女の性格上、前者でしょう。
そして、その肉は目の前の少女の店に並びます。
更に、少女はこういいます。
「隊長様にならもう少し安くしてやってもいいよ」
「いや、これ以上安くされたら罪悪感を覚えるよ。
とりあえず、後五つくれないか? 代金は払うよ」
「おぉ、ありがと!」
僕ははした金だと思っていた100β渡します。
二週間前の100000βってありえないほどの大金だと改めて感じました。
〔つづく〕
登場人物
草薙 香 主人公
フラート 館で暮らす香を悩ますハイテンションファイター
デフォル うねうね大根から進化した少女
シャウト ファイターの館のリーダー
クラッシュ 知的派ファイター、本に囲まれて生活している
チャート オーバーリアクションが特徴
レイチェス いきなり喧嘩を始める 大剣使い
ファールウ いきなり喧嘩を始める レイピア(小剣)使い
ベルジスク 洞窟狼 オス
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http://ameblo.jp/kusanagi-kaori (アメーバブログ・草薙香)
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