朝の散歩 3
市場の影で僕は狼に肉を与えます。
「グルル……余計なことを。
私は人間に飼われるほど堕ちてはいない」
むしゃむしゃ、
豪快な音を立てながら狼は文句を言います。
「食べながら言われても説得力ないけど?」
「カオリ……私も……もぐもぐ」
「ああ、デフォルは後でね。
今はこのわんわんが食べているから」
「わんわんの……もぐもぐの後だったらいいの?」
「うん」
すると、狼がいつの間にか食い漁(あさ)っていた肉を噴出していました。
「ウグ、そのわんわんとは何だ」
「ん? ああ、なんかデフォルが君を呼ぶときはわんわんって言うようになっただけだよ」
「明らかにお前の入れ知恵ではないか! 撤回しろ!」
「わんわんって変な響きかもしれないけど、僕の世界では最も人間と共存を許された存在だよ。
頭もよくて人間に可愛がられる……犬だ」
「結局犬ではないか……私は―――犬なのか?」
「何でもいいでしょう? わんわんも栄誉(えいよ)だから。
文句を言わない。
そういえば、フラートを探さないと」
「ふむ。
あのエンチャンターの魔力の気配はすでに北の都市へと行ったが、ここで無駄足を食っていてよかったのか?」
「気付いていたならもっと早く行こうよ!
何でわざわざここまで来たの!?
肉の匂いに釣られたの!?」
「いや、散歩がてらだと思っていたが……」
「もういいよ! 散歩は終了! さっさと北へ向かおう。
確か『パーレイ』だったはず」
僕はデフォルを抱えて狼に乗り込みます。
狼は残りの肉を一気に平らげて走り始めました。
〔つづく〕
登場人物
草薙 香 主人公
フラート 館で暮らす香を悩ますハイテンションファイター
デフォル うねうね大根から進化した少女
シャウト ファイターの館のリーダー
クラッシュ 知的派ファイター、本に囲まれて生活している
チャート オーバーリアクションが特徴
レイチェス いきなり喧嘩を始める 大剣使い
ファールウ いきなり喧嘩を始める レイピア(小剣)使い
ベルジスク 洞窟狼 オス
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http://ameblo.jp/kusanagi-kaori (アメーバブログ・草薙香)
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